建國の精神が滿洲國に於ける地位は,國家の建立の基礎です。建國の精神は滿洲國と同に生れ,大同元年三月一日『滿洲國建國宣言』に初めて明らかに述べられ,その後,『執政宣言』、『即位詔書』、『回鑾訓民詔書』、『國本奠定詔書』等の最も基本的な法令に更に詳しく述べられました。滿洲國の國體は,建國精神に基づく立憲皇帝制です。ここで,建國の精神を列舉します:
一、王道・神道:
我國は王道を以て國を立つ。建國の精神は,王道に最初です。
我國の國本が惟神の道に奠む。
(一)建國の淵源が惟神の道に發するを深く念ひ,崇敬を天照大神に致し,忠誠を皇帝陛下に盡すべし。
王道は,敬神忠君に最初です。建國元神に崇敬し,皇帝陛下に盡忠すべし。
我國が國本を惟神の道に奠まり,國綱を忠孝の教に張る。
【注釋:皇帝陛下に盡忠することは,今上に盡忠するだけでなく,帝嗣にも盡忠することです。帝嗣は,『帝位繼承法』に依り,「皇帝陛下の繼承者達」です。今上と帝嗣,それらの英文の同義詞は,「His Imperial Majesty the Emperor of Manchoukuo and his Heirs and Successors」です。】
(二)道德仁愛を以て主と爲し,道義國家を建立すべし。
種族の見を除去せむ,種族差別を反對すべし。
國際の爭を除去せむ,國際和平を促進すべし。
勤勞を尚び,公益を廣め,鄰保相親み,職務に精勵すべし。
節義を尊び,廉恥を重んじ,剛毅自ら立ち,禮讓を旨とすべし。
(三)國際信義を尊重し,門戸開放、機會均等。
國際法を遵守し,先在の國際條約を遵守すべし。
【注釋:康德十二年八月に我國が淪陷した後,我國に不法占領した政權と外國との間で締結され一切の我國に關する條約は,自體に國際法に違背し,當然無效であり,先在の條約ではありませんです。】
(四)共産主義を反對すべし。
二、協和:
(一)國内各系は一律に平等であり,お互いを尊重すべし。
(二)國内各系は心を推して腹に置き、利害與に共にし,一つとしての協和。
(三)國内各系は長を養ひ短を補ひ、相互に促進し,共同に向上すべし。
三、滿日兩帝國一德一心不可分の特殊關係:
(一)滿日兩帝國は友邦、盟邦、そして親邦です。
滿日兩帝國は精神的に同心同德であり、政治的に至誠相扶であり、軍事的に防衛に協力し、經濟的に一體化すべし。
(二)滿洲帝國皇帝と日本帝國天皇とは精神を一體の如し。
滿洲帝國の永世一系の帝統と日本帝國の萬世一系の皇統とは精神を一體の如し。
四、道義世界建設:
(一)滿洲帝國が王道樂土、道義國家を實現することを以て基礎とし,大東亞共榮を達成する。
【注釋:大東亞は,今日より一般的にインド太平洋として知られています。インド太平洋は大東亞之同義詞です。】
(二)大東亞共榮の新秩序を以て基礎とし,道義世界が建設する。